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2010年の緑耕舎だよりです。


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  パルしめ縄&お供え餅作り   2010年12月23日



前日は冬至、翌日はクリスマスイブ。
天皇誕生日のこの日、ちば緑耕舎にて、パルシステム千葉「しめ縄作りとお供え餅作り」が行われました。
一年間、田植えに始まり、草取り、稲刈りと続いた田んぼ体験の、最後のイベントです。
稲刈りでは雨に泣かされましたが、今日はすっきりと晴れ渡りました!・・・が、南西の風が強くて、 寒くはないけれど「物が飛んじゃう~!」という、ちょっと微妙なコンディションではありました。
まあ、雨でなかっただけよしとしましょう。

さて、まずはしめ縄作りです。
手作りのしめ縄というと、より合わせたワラを丸く輪にしたものを思い浮かべますが、ここで作るのは 3本まっすぐより合わせた、大きめのものです。
芯を入れて根元を3本にまとめるところまでは講師の先生が用意してきてくれて、それが配られました。
先生の説明を聞きながら、ワラを形作っていきます。
先生の手つきを見て同じように真似しようとしますが、これがなかなかできない。だってふだん、 ワラを触ることもないし、ワラを綯う(なう)ことも全く無いですものね。
パル千葉のスタッフも、ちば緑耕舎のメンバーも、覚えようと必死です。先生に手伝ってもらったり、 厳しく(?)直してもらいながら、最後には無事、全員が立派に完成させることができました。

お次はお供え餅作り。(鏡餅と言いますね。)
手を洗って餅粉をつけて、下になる大きいのと、上に乗せる小さいのとを、丸くきれいになるように形作ります。
ふかしたばかりの柔らかいお餅なので、丸く高くなりにくいですが、手作りのご愛嬌ということで(^‐^)。 子供さんたちもみんな楽しそうにやっていました。そういえば、粘土遊びに似てますね。

昼食にお餅入りのお雑煮やイチゴなど食べたあとは、臼と杵で餅つきをしました。
順番に、ひとり5回ずつつきます。
たった5回なのに、堅い木でできた杵は重くてつきづらくて、結構大変です。 しかし全員が回ると、ちゃんと柔らかくつき上がりました!
最後に田んぼ体験のアンケートと引き換えに、千葉コシカリ5㎏が配られました。
手作りのしめ縄とお供え餅と、お米。お土産がいっぱいになりました。持って帰ったら、みかんや ウラジロ(シダ)をつけたりして、飾ってください。
これでお正月飾りの準備はバッチリですね!

先月まで元気に伸びていた2番穂も、霜の降りる今ではすっかり枯れ色になりました。近くの印旛沼には、 もう数百羽の白鳥が集まっています。
ちば緑耕舎の事務所からも毎日、北に筑波山、西に富士山がくっきり見えます。
あと1週間で大みそか。今年も田んぼの移り変わりを見てきました。
関東平野にからっ風の吹く間は、田んぼはひと休みの時間です。







  機械の手入れ、もみ殻まき   2010年11月11日



落葉樹は色づいてはらはらと散り、朝晩には冷えるようになって、ますます秋が深まってきました。
冬が近づき、晴れた冷たい夕方などは、ここ、ちば緑耕舎からも富士山が見えるようになります。
この頃の田んぼは、刈り入れが終わった切り株から、また新たに穂が出て伸びています。二番穂と呼ばれる これは、もちろん成熟すれば食べられますが、日本ではたいてい、冬の寒さのせいでそのまま枯れてしまいます。
昔はこれも収穫して、せんべいなどに利用していたと聞いたことがあります。現在では、野鳥のえさになり、春前には 土にすき込んで、肥料としていることが多いです。あまり実りは良くないのですが、穂がたくさん出ているので 一見するともったいない気もします。

この時期、農家の人たちは、秋に使った機械類の手入れをします。
業者さんに見てもらうこともありますし、経験のある人は、ある程度なら自分でメンテナンスをするようです。 私もコンバインの手入れの様子を撮りにおじゃましましたが、複雑なチェーンを見たとたん、ちょっと怖くなりました。 ううん、農業をやるには機械に弱くてはできないのかも!?
大量に刈り取ったお米も、もみ殻を外す「もみすり」も終わり、農家さんの作業場の外には、たいていもみ殻の山が できています。
これを、焼いて園芸肥料として使ったり、そのまま田んぼにまいて腐らせ肥料としたり、使い方は人によっていろいろ だそうです。
今回は田んぼにまく様子を見に行きました。
近くの田んぼでは、トラクターで、二番穂を株ごとすき込んでいる人がいました。
あぜ道の草はだいたいが柔らかそうに枯れていますが、中にはピンクや黄色の、小さい雑草の花が咲いていましたよ。 夏の頃とはうって変わって茎を短くして、まるでこれから来る冬に備えて、首を縮めているようです。







  第10回パルシステムフェア   2010年10月3日



千葉ポートパークにて行われた「第10回パルシステムフェア」に参加してまいりました!
今回も天気が心配されていましたが、夜まで降ることもなく恵まれました!
ちば緑耕舎では、普通に食べるお米を扱っていますが、メンバーの中にはもち米も作っている人が いるんです。
そんなわけで出し物は“もちつき体験&試食”です。もち米と千葉コシヒカリの販売も行いました。
スケジュールは3回。ケヤキの大木をくり抜いた臼と、意外に重い杵を使います。蒸したもち米を最初から最後まで 杵でつくのは、実はかなり大変なこと。
なので、初めに、もちつき機である程度まとめます。
体験する人には順に並んでもらい、1人数回ずつついていきます。小さなお子さんたちも、お父さんやお母さんと 一緒にペッタン、ペッタン。やがて臼の中に、みごとにおもちができ上がりました。

つき上がったもちは、緑耕舎女性部の手によって、甘いきなこもちとしょうゆ味のからみもち(大根おろし)になり、 試食として配られました。
「粘りが強いから、ゆっくり食べてね!」と注意の言葉。
そう、ふだんスーパーなどで買って食べる切りもちとは、粘りの強さが違うんです。
これから年末・お正月と、もちを食べる機会が増えますが、ぜひ本物のおもちの味も知っておきたいですね。
今回使ったのは“つきみもち”ですが、さまざまな品種があります。一度、食べ比べてみたいですね。







  パルシステム稲刈り   2010年9月25日



パルシステムの田んぼ体験の中でも、一番皆さんが楽しみにしているのは、稲刈りではないでしょうか。 実った成果を収穫するのが楽しいのは、果物狩りも米も同じですよね。

しかし・・・。今年の稲刈り日は、台風に当たってしまいました。前日から強風が吹き、 夜中にも雨が降っていました。
雨が降っても、朝にやめば稲が少しでも乾き、刈り入れができます。しかし濡れてしまっていると、 鎌で刈ったとしてもその後、機械で脱穀するのができません。
午前中には雨がやみ、晴れてくるとの天気予報に賭けて、集合になりましたが・・・。
結局、開始時間にもまだ雨が!!
せっかく集まったのにとても残念ですが、かっぱを着て6株ずつくらい刈り取って、稲刈り終了ということになりました。
開始から1時間後、なんとその頃になって雲が切れ、青空が見えてきました。お昼ごはんを食べ終わる頃には、 すっかり太陽が照りつけていい天気に!
ああ、もう少し早く晴れていたら・・・!
雨風の中、集まってくれた参加者の皆さん、こんな天気に見舞われてしまい大変でしたが、笑顔で帰っていただく ことができて、一同少しほっといたしました。
この次、最後のしめ縄作りでは、よい天気になってくれることを祈っております!!

刈り残した稲は、翌日、大型コンバインでちゃんと全部刈り取りしました。乾燥・籾すりなどしっかりして、 皆さんのお手元にお届けします!









  刈り入れピーク   2010年9月6日



この辺りでは、早稲品種は8月の下旬、コシヒカリは9月に入ってすぐの頃に、刈り入れが始まりました。 いよいよ収穫の時です!

今年の千葉県は、6月下旬に雨の日があって以来、それからはまともに雨が降っていません。 夜も25℃以上の熱帯夜が続き、稲には良くない天候でした。
「秋の実りの収穫」だというのに、昼間はまだ思い切り真夏のような感じです。ジリジリ照りつける太陽の下で、 農家の皆さんは真っ黒に日焼けしながらひたすらコンバインを運転しています。
すでに、夜の7時にはすっかり暗くなりますが、明かりをつけてコンバインを動かしている人も見かけます。

9月3日の夕方、私Kが田んぼを見渡したときには「結構あちこちで刈り入れが始まっているな」という程度 だったのですが、6日の朝、出勤の途中で見た景色は、「もう7割方終わっている!早い!」と思わず言ってしまったほどでした。
稲刈り機の処理能力ってすごいです。手に鎌を持って刈っていた頃から比べると、効率は何倍に膨れ上がったのでしょう?想像がつきません。
稲刈りの最中の田んぼには、シラサギが大集合します。
コンバインの通った後に、カエルやバッタやイナゴがぴょんぴょん飛び出してくるので、それを狙っているのです。 コンバインの後ろをくっついて回っているので、見ていると面白いですよ。

コンバインで刈りながら、直後に籾とワラに分かれていきます。籾はタンクに溜まり、いっぱいになると、トラックや トラックに積んだコンテナに移します。これを作業場に持って帰り、できるだけ時間を置かずに乾燥機に入れます。
刈った籾は、保存するには水分が多すぎるので、ひと晩ほどかけて乾燥させ、保存に適した分量まで水分を落とします。 そういえば乾燥させるのも、昔はみんな、空模様を見ながら天日干ししていたんですよね。
乾燥させたらその後、籾すり機を通して籾殻をはがし、玄米にします。
ここまでの一連の作業「刈り入れ→乾燥→籾すり→袋詰め」までを、何度も田んぼと作業場を行き来して繰り返します。 収穫時期を逃してはなりませんから、時間に追われる日々なんですね。お疲れ様です!!

ちなみに、今年は猛暑のせいで、せっかく実った籾も「あまり出来の良くない粒」が例年より多いようです。
それを聞いて、やっぱりバランスが大切なんだなぁ、と痛感しました。刈り入れの時に晴れていることは、大助かりなんですけどね。







  実りに向かって   2010年8月5日



8月に入り、田んぼを見ると、緑一色だったのが色が変わってきているのがわかります。
背が高くなった稲の真ん中から、うす緑色の「穂」が伸びているんですね。
よく見ると、細い茎の中から、はちきれそうに大きくなった穂が出ています。出てきてから大きく丸くなっていくのかと思いきや、 茎の中である程度大きくなって出てくるのですね~。
初めはうす緑色で、まっすぐ出てくる穂。これが、あとひと月ほどの間に黄色く熟れて、垂れ下がってきます。稲葉もだんだん 緑から黄色っぽくなっていきます。

あぜ道を歩くと、トンボがいっぱい飛んでいて、バッタがキチキチいいながらピョンと跳びます。 陽射しはカッと照りつけてジリジリと肌を焼くようですが、稲穂をサラサラと渡ってくる風に吹かれると、とてもすがすがしいです。
いよいよ穂が出てきて実りに向かいつつあるこの頃は、収穫への期待と相まって、田んぼは一番美しく見える時期かもしれません。







  最後の肥料「穂肥」   2010年7月14日



7月になるころには、田んぼの稲はどっしりした株になり、一見すると歩くすきまも無いほど茂り、 色も濃い緑一色に染まっています。一面、緑のじゅうたんのようです。

さて、その稲の茎の中では、実りの元の「穂」が成長しています。
茎を1本取って葉をむいてみると、竹のような節ができ、一番上には小さくて柔らかい、ふさふさしたものがついています。これが穂です。
節は全部で5つ。1つ目から下から順々に、穂を押し上げるように伸びて、できていくのです。
このころになると、初めの肥料「元肥」はもう役目を果たし、新たに、この穂を成長させるための肥料が必要になります。 これを穂肥(ほごえ)と呼んでいます。
肥料ひとつとっても、いろいろな考え方、さまざまな方法がありますが、ちば緑耕舎ではこの穂肥を行います。
穂肥を撒く時期は、早すぎても遅すぎても、収穫量や稲株の丈夫さに大きく影響するとのこと。最適な時を、幼穂の大きさで見極めるのだそうです。

写真の幼穂は、まだ3番目の節を作りつつある段階のもの。むいてしまってごめんね。小さくてもちゃんと形ができていて、 なんだか動物の赤ちゃんと同じだな、と思いました。
今、稲は人間の腰くらいの高さですが、最終的には、胸くらいの高さまで伸びます。そのころには、立派に成長した 重い穂が顔を出していることでしょう。







  パル草取り&かかし作り   2010年6月27日



梅雨まっただ中、草や木はぐんぐん伸び、緑をどんどん濃くしている6月下旬、パルシステムの組合員さんによる 田の草取りイベントが行われました。
ほっそりとした苗をみんなで植えたのがまだほんの1ヵ月前なのに、今ではもう見違えるほど伸びて色も濃くなり、 株も分けつして大きく増えています。

「こんな種類の雑草があります」と説明を受けた後、田んぼに下りていきました。
稲も草ももちろん同じ色をしているし、中には稲と似ているようなものもあり、ていねいに見て歩かなければ 見逃してしまいます。そして、腰をかがめて歩き回るのがだんだんつらくなってきます!
農家の皆さんは広大な圃場を1人2人で手入れしているのです。うーん、やっぱり気が遠くなりそう・・・。 しかも草はどんどん生えてきますから、1回で終わり、ということではないのですね。 稲が大きくなる7月上旬くらいまでは、この作業がずっと続くのです。いやはや大変です。
今回は、1つの圃場を大人数で草取りしたので楽しくできました。泥に裸足で入ると、ズチャッ、ズチャッと 一歩一歩足が深く沈みます。歩きにくくて疲れても、座って休むわけにもいきませんが、みんな頑張りにぎやかなうちに終わりました。

昼食はカレーとサラダと、デザートはスイカでした。子どもたちは食べ終えると、もう元気に遊んでいました。
カエルを捕まえたり、緑耕舎の近くにいる田んぼの生き物を展示していたのですが、それを見たり。 メダカや小フナやドジョウなど、いろいろいましたが、カメとザリガニが一番人気でした。
午後からは、竹を使って案山子(かかし)作りをしました。竹を十字にしばって、つめものをして顔をつけたり 服を着せたり。バンダナをかぶったり、みつあみがあったり、いろんな表情のかかしができあがりました。
かかしをずらりと並べ、人気投票もしました。3位以上の人には賞品が贈られました。このかかしたちは、もう少しして 稲穂が出始めたら、田んぼに並べられます。頼もしくスズメを追い払ってくれるでしょうか。

最後に、生き物観察をしました。慣行栽培田、減農薬・減化学肥料栽培田、無農薬無化学肥料栽培田の3つの泥をさぐり、 イトミミズやユスリカの幼虫などを探しました。
みんな懸命に探しましたよ。これらが多くいると、田んぼの土が元気になり、良いお米ができるのです。 できる限り農薬を使っていない、安全なお米を食べたいですよね。 結果、やっぱり減減田・無無田のほうが、イトミミズも大きく、たくさんいました。

イベントが終わって帰ってからも、「楽しかったね」の言葉と一緒に、「田んぼにはたくさんの生き物が生活しているんだ」 「食べ物を作るのは大変なんだね」という言葉が家族のなかで交わされることを祈ります。







  あぜの草刈り   2010年6月4日



このごろ珍しいくらい、好天が続いています。
先週くらいまでは、一週間以上ず~っとどんよりした曇りが続き、今度はず~っと晴れ。しかも雲ひとつ無い、 いい天気の日が多いです。
気温も上がり、けれど湿気はまだ低いので、さわやか!田んぼの真ん中にいても風が心地よいです。水面の照り返しで 日焼けは気になるけど(^^;

こんな陽気になってくると、田んぼでのびのびするのは人間だけではありません。そう、稲もそうですが、草、雑草もグングン 伸びるのです!
田んぼを見に行くと、稲株が日に日に大きくなって、濃い緑色になっていくのが嬉しいですが、周りのあぜ道の雑草はそれ以上 かも!?
それはもうたくましく成長するのです。
ここで私個人の気持ちを言わせてもらえば、あぜ道に咲いているタンポポやハルジョオン、クローバー、小さい小さい星型の花 など、とてもかわいらしくて好きなんですけど、実際に稲を育てている農家の皆さんはそんなこと言ってられません。
雑草は伸びると日陰を作り、根を伸ばして栄養を吸い、種を落として、稲の領域にもどんどん繁殖していきます。 自然に生きているのだからそれも当たり前。
だから稲を守るために「草刈り」という戦いをしなくてはなりません。
除草剤をまいてしまえば、それは楽です。
けれどあぜの草と稲は、となり同士に生えています。草を枯らすために大量の除草剤に頼っていては、いずれ私たちの口に入ることに なるでしょう。

この日、Tさんが草刈りをするところを撮影しに行きました。肩掛けタイプと手押しタイプの2種類の草刈機を使っていました。 日焼け対策に麦わら帽子、タオル、そして長袖。さわやかな天気とはいえ、結構きつい作業です。
これから夏に向かって、この雑草との戦いは続きます!米作りというと、田植えや稲刈りの印象が強いですが、実は草刈りこそが 一番作業量が多いものなんですね。

あぜにシロツメクサがたくさん咲いていました。Tさんに聞くと、これもすぐ刈ってしまうとのこと。
それならばと、シロツメクサを編んで花輪を作っちゃいました。子どものころ以来で懐かしかった!・・・・・遊んじゃってスミマセン。







  パル田植えイベント   2010年5月15日



本日、パルシステム千葉の組合員さんが参加して、田植えイベントが行われました。
ちば緑耕舎は4月に引越したので、田植えの場所も新しい事務所のすぐ下のところになりました。
昨年は小雨が降る中での開催でしたが、今年は天気に恵まれて、青空の下で気持ちよく行うことができました!
まず、パルシステム担当者さんから説明があった後、「ミニ・昔の道具展」が開催(?)されました。60~70年ほども前、 人力で全てをやっていたころに登場し、大いに重宝された草取り器や、初めての動力など、今ではほとんど目にすることも なくなったものを展示・説明したのですが、初めて見る道具類に、子どもたちは興味しんしんの様子。 どんどん触って動かしていました。昔は普通に家にあったので、子どもたちも自然にお手伝いしたのでしょうね。

さて、いよいよ支度をして、田んぼに下りていきました。
田んぼの中に目印の線を引いておいたので、それに沿って植えていきます。ちょっと曲がっても気にしないで どんどん植えていって、あっという間に終わってしまった感じでした。
その間にも「カエル見つけた!」「タニシがいた!」という声があちこちで上がっていました。中には、3センチくらいの 小さ~いカメの赤ちゃんを見つけた人がいましたよ!かわいくて、大人気でした。
「捕まえたから持って帰りたい!」という子どもたち。けど、パルシステムの担当者さんから「殿様ガエルも生きている。 ミミズなどのえさをちゃんと取ってきて、育てられるかな。」と言われると、みんなよく考えているようでした。

泥だらけになって田植えが終わると、泥を落として昼食です。おにぎり、たけのこごはん、煮物、豚汁、カクテキ、フルーツなど、 皆さんたくさん食べられたようです。
午後からは、生き物観察です。二手に別れ、ひとつのグループは周辺の田んぼや水路を歩き、どんな生き物がいるか探しました。
もうひとつのグループは、慣行田・減農薬減化学肥料栽培の田・JAS企画有機栽培の田の、3種類の田の泥に中に、イトミミズや ユスリカ、ミジンコなどの大切な生き物がどれぐらいいるか調べました。
これらの生き物が多いのは、田んぼの環境が豊かな証拠。みんな目を皿のようにして探し、数を数えていきました。集計が出るのは 後日ですが、結果が楽しみですね。

最後に、参加者ひと家族につき1個ずつ、バケツ苗が配られました。
バケツの中には小さい苗が植えられていますが、これからぐんぐん伸びて花が咲き、実をつけるまでしっかりお世話しなくては なりません!気温や、虫や、実がなればスズメなんかにも注意です。秋には笑顔で収穫したいですね。
皆さんが植えた交流田、私たちもしっかり管理をして、秋にはたくさん収穫が得られるように頑張ります!









  田植えのピーク   2010年5月6日



年に一度のゴールデンウィーク。
ニュースでは連日、あちらこちらで混雑している様子が伝えられていました。
私Kもお休みをもらっていましたが、この時期この地域の米農家さんは・・・「大いに働く毎日」なのであります!
おりしも今年は、50年ぶりに全日が晴れたという、天気に恵まれた連休でしたから、その字の通り「朝から晩まで」 田植え作業が続く毎日だったようです。

連休明けのこの日、広~い田んぼに植えている緑耕舎のTさんに、もうじき終わりますか?と聞いたところ、 スタートの遅れもあって、まだ4割ほど残っているとのこと。
もう皆だいたいは終わってきているようで、見回すと辺り一面、ほっそりした稲が植えられていました。
写真を夕方に撮ったのですが、日が暮れて暗くなる19時くらいまで田植え機に乗り続けるそうです。あまり乗り心地は よくないこの運転席・・・ひと息つけるのはもう少し先のようで・・・がっ頑張ってくださいっ!!(^^;

そうそう、このあいだ出かけた先で田んぼを何気なく見たときに、違和感を感じた、ということがありました。 そこは「密殖(みっしょく)」だったのです。今まで「疎殖(そしょく)」という言葉を知ってはいましたが、 初めて違いを実感しました。

↓田んぼのすみっこにカエルの卵を発見。他にも、今は子ガメが多くいます。晴れた日には、並んで甲羅干し したりしてますよ。








  荒代かき(しろかき)   2010年4月26日



肥料をまいて水を入れた田んぼの土を、どろどろ~に柔らかくするための代かき(しろかき)という作業です。
大きい鋤(すき)のようなものをトラクターに取り付けて、ひと通り耕していきます。以前にまいた肥料も、 これで土によく混ざります。
今はトラクターに変わりましたが、昔は牛に鋤をつけて引かせ、まさに“牛歩のごとし”作業していたんですね。
お隣の田んぼではもう水がいっぱいに張られ、同じようにトラクターで、もう一度、仕上げの代かきを行っていました。
緑耕舎のTさんは、この日ここの田の荒代かきをしましたが、例年より田植えが遅れてしまっているとのこと。すでに 植えられた田んぼも見ますが、確かにまだまだのところが多いです。
もう4月も終わりですが、春らしい陽気になるといいな、と本当に思います。







  元肥(もとごえ)   2010年4月20日



冬の間、使われていなかった田んぼに、これから水を入れて苗を植えるときが来ます。
柔らかい稲苗を植えつけるその前に、いろいろと土の状態を良くしておかなければなりません。
今回は一番初めの肥料まき、元肥をする様子を見てきました。トラクターの後ろから肥料をバラまいていくのですが、 田んぼの中をきちんとした線をつけてまいていく人、ぐるぐるとある程度自由に回る人、それぞれなのですね。
終わった後にはトラクターのタイヤ跡が残るので、どんなふうに回ったのかがわかります(笑)

先日テレビでトマトの栽培についての放送を見ましたが、もともと荒涼とした土地が原産のトマトは、 ふんわり耕した栄養たっぷりの土より、むしろあまり手を入れない土で育てたほうがトマト本来の旨みが強くなり、 おいしくなるのだ、と言っていました。
きっと何にでも「ちょうどいい」という点があるのでしょうね。そのちょうどいいを見極めるのが、すごく難しい ことなんですが・・・!

この写真では、もう田に水を入れているように見えますが、実はこのところの雨でぬかるんでいるのです。なんと、 地域の揚水が故障中、というトラブルが!(>_<)
もう田植えを始めているところもありますが、10℃以下の冬みたいな日が多くて、まだ苗が思うように育っていない 状態です。もう桜も散って田植えの時期のはずなのに、春はまだ先のような気分です。







  畔(くろ)付け   2010年4月1日



花見情報が毎日更新されているこの頃、田んぼでは「畔つけ(くろつけ)」に追われています。
作業場では、もう播種(はしゅ=種まき)を始めているところもあります。
畔つけとは、あぜをしっかりとかためる作業で、これから田んぼに水を入れるための準備になります。しっかりやらないと、 いざ水を入れた時、漏れて流れ出てしまったらしょうがないですものね。
さて、畔付けをする様子を見に行った私。その機械の進み具合がの~~んびりなスピードで「なんだかのん気な感じがするなー」 と感じました。
できたところを見てみると、厚く立派にかためられています。これだけギュウっとかためるんだから、こんなにゆっくり進むんだな と、妙に納得しました。しかも、まっすぐきれいに作り進むのは、なかなか難しいとのこと。
もし私がやったら、見事に(?)曲がりくねってしまいそうです☆
昔は土に水を混ぜて手作業でこねて、それをやっぱり手か鍬(くわ)で塗りかためていったそうです。うわ、本当に時間のかかる 作業!!超超巨大粘土細工!??
のん気なスピードだと思ったことを反省デス。








  冬の終わりと春のきざし   2010年3月17日

ここのところ、気温が高くなったり低くなったり、まさに三寒四温です。といっても、夏日を観測したり 平均気温より下がったり、寒暖の差が激しくてニュースになるくらいで、ちょっと不安もあるのですけどね・・・。
緑耕舎の周りでは、白鳥の声を最後に聞いたのは11日でした。
探してみると、前日の大雨で田んぼが池のようになっていたところに、4羽の姿がありました。 もうほとんどの白鳥たちは北へ帰ってしまってますが、体力不足なのか何なのか、数羽残っていたんですね。 もしかしたら、1羽が調子が悪くて、仲間が一緒に旅立ちを遅らせていたのかもしれません。

少し経って15日、夜に雨になる予報でとても暖かい日だったのですが、夕方近くになってカエルが大きな声で2回鳴いていました。
暖かかったので「もう春になった」と早とちりして、冬眠から目覚めてしまったのでしょうか。その後には全然声が聞こえて きませんでした。
梅は満開、こぶしのつぼみも大きくなり、よく見ると日なたの桜の木は、もう薄緑の芽をつけています。
気温で季節を感じる人が多いと思いますが、ちょっと地面を見てみると、そこにもきっと、春の気配を感じるものがありますよ。







  種もみの消毒   2010年3月9日



午後から雨の予報のこの日、緑耕舎のTさんが、朝から種もみの温湯消毒をしていました。
種まきをする前に、病気から守るため、種もみを消毒する必要があります。薬品に浸して消毒する方法もありますが、 緑耕舎ではお湯を使って消毒をしています。60℃に温めたお湯につけること10分。取り出したら、すばやく冷たい水に移し 全体を冷やします。
あんまり温めすぎて「ゆでちゃった」となったらオシマイですよね(^^;)
この後は、なるべく冷たい水に、だいたい10日ぐらい浸します。カラカラに乾かしてあった種もみに水分を吸わせ、 発芽しやすくするのです。
まるで、ひと冬の間寝ていた種を「もうそろそろ春だよ」と起こしているみたいですね。







  今年初の白い世界   2010年2月2日



昨夜、ここの地域にはとても珍しく、うっすらとですが雪が積もりました。
千葉県は本当に温暖で、東京で雪が降っていても千葉では雨、ということがよくあります。
朝、事務所の前の、まっ先に溶けてできた水たまりで、スズメたちが群がって水浴びしていました。 カメラをかまえた直後、モズがやってきたので逃げてしまいましたが・・・。
モズは、色はスズメと似たような茶系の色で、ひとまわり大きい肉食の鳥です。1羽1羽が決まったテリトリーを 持つらしく、緑耕舎の辺りにも1羽住んでいるようで、いつも同じ場所で見かけます。

ちなみに、事務所前に張ってあるワイヤー線にコオロギのような虫がつき刺して あるのを不思議に思っていたんです。調べてみてわかったのですが、それはモズのしわざでした。「はやにえ」というモズの習慣で、捕ったえさを すぐに食べない場合、木の枝やとがったところに刺しておくのだそうです。
なぜそんなことをするのかは謎で、はっきりわかっていないとのこと。不思議ですね。







  準備の始まり   2010年1月27日



さて今年も、寒風が吹きすさぶ中、新たな収穫のための準備が始まりました。
この日、緑耕舎のTさんが、農道・畦畔(けいはん=あぜ道のこと)の修繕作業をしている様子を見にいきました。
Tさんは小型ショベルカーを持っているので、それを使い田んぼのへりに土を盛り、作っていました。俗に“筑波おろし”と言われる、 冷たい空っ風の吹く中で作業が続きます。写真を撮る私は、ほんの短い時間なのに凍えそうになりました(--;)

「農道や畦畔をきちんと整えておけば他の作業の効率がよくなるし、何より圃場(ほじょう=田んぼのこと)の景観、やがては 地域の景観づくりにもつながっていきます。田んぼは先祖から、また地主さんからの大切な預かり物なので、地味だけれど欠かせない、 大切な仕事なんです。」
感謝の気持ちを持って働く人の姿というのは、すばらしいと感じます。またそんな言葉を聞けると、お米を食べる方の人にとっても 嬉しいものですね。
北にそびえる筑波山と、田んぼを飛ぶ白鳥たちも、何も植わっていない冬の田んぼでひとり働くTさんの姿を見ている気がしました。

そうそう、あぜ道の枯葉の中に、茎の短いたんぽぽが、地面にへばりつくようにして一生懸命咲いていましたよ。






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